えむぴを本気で語りつつ、MPのない音楽会Ⅶ 好敵手(ライバルズ)の感想

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MPのない音楽会Ⅶ ライバルズ

今月は任天堂楽曲専門のアマチュアオーケストラAn-Ninさんの演奏会にも行ってきたばかりですが・・・

私にとっては毎年恒例となっている、地元仙台で活動している「しかしMPがたりない
通称えむぴさんの演奏会

MPのない音楽会Ⅶ 好敵手

に1月29日行ってきました。 

ゲーム音楽を専門に演奏しているアマチュア吹奏楽団です。

演奏会は約一年に1回開催されていて、今回で第7回目。私は第2回目から通っています。 

去年はゲームブラザーズのメンバーを連れていきました。

おととしは友達連れていきました。

さらにその前の年は・・・と記事掘り返すのも面倒なので、とりあえず今回の演奏会の感想を。
過去最高に楽しかったので、1人で行かずに誰かと行けば良かったという思いを記事にガチでぶつけます。 


“しかしMPがたりない”って?

某ゲームの某セリフ。この記事読むような方なら分かると思いますが、分からなければ調べてください。
分からない方でも調べれば一発で分かると思います。 

MP(マジックポイント)
ゲームによって呼称は変わるものの、だいたいは魔法などの特殊攻撃を使う際に消費するポイント。
魔法使いに限らず、勇者であっても何かしらすごそうな物質まとわせた剣振り回す時とか消費します。

そんなMPが不足しているのにも関わらず、使用しようとするとどこからともなく聞こえてくるのがこのセリフ。

なにかんがえてるの?

はじめに私がスゴいと思うこの団の特徴を3つほど。

①取り扱いゲームの幅が広い

メジャーどころからマイナーどころまで、聴けば絶対1曲は知ってる曲が出てくるであろう演奏会です。
雑食ゲーマーほど嬉しいと思いますが、私のような小規模な守備範囲でも楽しめるある意味珍しい演奏会です。

②演奏だけじゃない

パンフは説明書風、アナウンスはどことなくゲーマー心をくすぐる言い回し。
随所にゲームの世界観を感じられます。

後述しますが、第2部ではゲームネタがちりばめられたえむぴオリジナルの演劇を取り入れつつ場面にあったゲームBGMを生演奏。
演劇は団員がステージで演じるのはもちろんですが、スライド投影であたかもゲームのように2次元キャラとやり取りするのも本当に面白い。

これは他の演奏会でも類を見ない珍妙なゲーム音楽演奏楽団なのではないでしょうか。

③そもそも全体のクオリティが高い

いくら好きでもその好きをお客さんに伝える技量がなければいけないもの。
えむぴさんにはそんな技量を兼ね備えた団員さんたちがたくさんいるのでしょう・・・

スライドはもはやプロ並みで、スライドどころかゲームPV風の映像を作り上げていたり、
演奏はもはや吹奏楽じゃない、とにかくゲーム音楽を表現するんだ!という熱が伝わってくる楽器の種類にとらわれない表現力、
劇の際の上手にジャンルメーカー問わないゲームネタを取り入れる知識と、それをシナリオに落とし込むセンス。ならびにその劇に使用するゲームネタ小道具(今回は波動拳、PKサンダー等飛び道具多かったですね)

そして、スライドと演劇と演奏をシンクロさせる完璧な演出。

もうゲーム好きとして言うことない。

そんな演奏会が無料で!楽団員たちの自己満足でやってるというじゃないですか。
頭がおかしい意外の言葉が出てきません。

ツイッターでタグ付けて何回かツイートしたけど、金払わせてほしい。
ダメなら何かネタになりそうな中古ゲーム寄付します。

・・・さて、言い尽くした感ありますが、
そんなえむぴさん、
今年はライバルがキーワードだそうで、パンフ表紙でもレッド、グリーン他、主人公とそのライバル関係にあるキャラたちが並んでいます。

挨拶の際、音楽監督のDockyさんが名探偵コナンのライバルは誰だと思いますか?と話していましたが、ライバルって結構曖昧な表現で、例えばマリオだったらクッパなのかワリオなのかドンキーなのか・・・
人によって認識は変わってくるわけです。

今回の演奏会

今回のの演奏会は3部構成
1部、3部は普通に演奏しますが、2部はほぼ劇。ほぼ学芸会。すごく豪華な学芸会。

第一部

ソニック、リズム天国ザ・ベスト+、こうじょうメドレー、ポケモンDP、FF零式をオーソドックスに演奏。 

個人的にはこうじょうメドレーが感動しました。
武器工場(スーパーマリオRPG)→オイルこうじょう(スーパードンキーコング)→カロス発電所(ポケモンXY)→こうじょうけんがく(星のカービィ64)
というこうじょうメドレーと言いつつ任天堂工場メドレーでした。

特にカロス発電所はXYの中でも1番好きな曲で、これを生で聴けたことに感動。

我ら来たれりのコーラスも良かったです。ゲーム音楽の演奏会でコーラスの演出は記憶上初めて聴きましたが、声の圧力がすごいですね。あの楽団コーラス団体いたっけ?
正直、何語か分からなかったけど、既存の団員でコーラス団用意しちゃう辺り・・・本当に努力のある楽団なんだなぁと。

後はチャンピオンシロナのピアノのソロ良かった!

第二部

開演前に読んでて今年の演劇はこれなんだろうなと眺めていたのがこのページ。
まぁ、ときメモですよね。原作遊んだことないけど。

去年は青葉奏ちゃんというこれまた美少女がキーとなる劇でしたが、今年も男性の皆さんが喜びそうな女の子たちがいました。

・・・で、いざ始まってみるとときメモ遊んでたのに、スマブラ始まってて、気付いたら神様と対峙してたという。
正しいし、合ってるけど観てない人からしたら破綻した舞台設定と物語でした。
舞台の面白さは観てもらわないと分からないと思いますが、そんな舞台中のBGMも様々なゲームから拾ってきていて、

シリアスな場面で信長の野望流したり、結果発表でスプラトゥーン流したり、キャラ選択でスマブラ流したりとにかくごちゃ混ぜ。 
このごちゃ混ぜ具合がゲーマーとしては堪らないです。
これ全部ネタ理解できたら相当楽しいんだろうなぁと言ういつものスマブラキャラを眺める任天堂ファンの気持ち的に観てました。

第2部、注目は

The Wonderful 101のメインテーマ
戦え!ワンダフル・ワンダブルオー

この曲が流れたこと。毎年アンケートにマイナー任天堂タイトルを書いて帰ってますが、101も書いた記憶があるようなないような・・・。
劇中のラスボス戦で演奏されて、ユナイト・ハンド、ソード、ガンのそれぞれのセリフのタイミングとスライドのタイミングが別のゲームの手、剣、銃ネタ演出と完璧に合っていて手震えました。
今時あんなマイナーゲームわざわざスコアにおこす楽団いないんじゃ・・・?

ちなみに、ゲーム終盤だと歌詞がちょろっと変わるんですよ。

余談ですが、登場した美少女たちの名前は仙台にちなんだ名前から来ています。

第三部

もう書きながら燃え尽きた感ありますが、それでも思い出すたびに興奮するので最後まで書きます。

いよいよ、最後。第3部。まずはこれまたあまり演奏されることのないカービィのエアライドメドレーからはじまり、まずここでカービィファン昇天、さよなら。

で、この演奏会の大注目楽曲とも言える、ライバルメドレー。
様々なゲームのライバルまたはそれに値する存在・キャラの場面で流れる曲をとにかく繋げてしまった罪深い4楽章からなる集大成。

全体を通してポケモンが目立ちましたが、それでもポケモンばっかだななんて気にならないラインナップ。
ストリートファイター、FFⅤ、スタフォ、ゼノサーガ、ロックマン3、テイルズアビス・・・

とにかくキリがない。ここまでしつつポケモンのライバル曲はほぼ網羅してたんですよ。
まさかのサンムーンのグラジオ戦まで演奏していて、サンムーンのサントラなんて11月30日発売ですよ。発売から2ヶ月しか経ってませんよ。
それなのに、この曲を演奏しよう!と選曲し、自楽団で演奏できるよう編曲し、他の曲と繋げられるよう楽章に埋め込む。この短期間での仕事とは思えません・・・。

ライバルメドレー、最後はゼノブレイドの機の律動で締められたのですが、機の律動だけ途中知らぬ間にグラジオ戦に入れ替わり、また知らぬ間に機の律動のサビに替わってました。
メドレーはある程度繋ぎが分かるようになっているのが多いように感じますが、この2曲だけ繋ぎが自然過ぎて・・・。

余談ですが、ヒガナがライバルという考えは実に考察が捗る考え方だと思いました。

それと、指揮者がアイマス踊り出した時は指揮について深く考えさせられました。

アンコール

えむぴ恒例アンコールといえばグルメレース。毎年毎年本当に楽しそうに演奏してます。

最後に

ここまで熱く書きましたが、やっぱりアマチュアとはいえ、行っていることとクオリティはプロです。
ゲーム音楽は権利上面倒なところがあって、大人の事情でお金はとれないとはいえ、これを楽団の自己満足で済ませていいのか・・・。

公式で今回は過去最高の出来だと公言されていたような気がしますが、まさしくそれに見合ったクオリティだったと思います。
じゃあどこがどうだったのかと言われると、音楽素人の私にはなんと表現していいのか分かりませんが、聴いていてそれぞれの楽器の音がいつもより聴きやすかった、楽器奏者が回転することで音響を工夫していたとかですかね。

とにかく聴きやすかったです。

指揮者は本当に楽しそうに指揮をしていました。何かが乗り移ったかのように荒ぶってました。
ジャンプしてました。スカイアッパーしてました。

・・・好きを形にする力、それを披露するに値するレベルまで身に付ける努力…ゲーム大好きなお客さんと共感を得るためにここまで力を注ぎ込めるのは尊敬すると同時に応援しています。

私も任天堂が好きな身として何かしら魅力を伝えられないかとユルくではありますが、ブログをやっているので、レベルは違えど同じゲーム好き、同じゲームの魅力を伝える者として頑張っていこうと思いました。

ゲームという文化が存在すること、それを好きになる人がいること、それを共有しようとする人たちがいること。
ゲームというジャンルに限った話ではありませんが、好きというパワーが出来ることの大きさに改めて驚きました。

近年、ゲーム音楽はプロの楽団も演奏するようになってきました。そんな中メジャーな曲を演奏している場合じゃないと私の記憶上では音楽監督が仰っていたと思いますが、まさにその通りで別にマリオが嫌いとか聞き飽きたとかそんなことはありませんが、やっぱりどこも演奏しないような曲が聴きたい。

これまでも十分マイナーな曲を取り上げていたと思いますが、ぜひこれからもそんな良い意味でよく分からないながらもしっかりといいところを押さえた選曲していっていただきたいです。

宮城のゲーマー、いや県外のゲーマーだったとしても1回来たらハマると思うので、ぜひ。
あまり人増えすぎて席どうこうといった話になってほしくはないですが。

えむぴファンです。第1回から行きたかったですね。

応援してます。終わり。

協力の欄にまさかの今までいなかった株式会社KADOKAWAがいて、どこでどう関わりがあったのだろうと。

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