[FF14]「ロングフォール」という曲が凄すぎるから分析してみた[ゲームミュージックお勧め紹介 Vol.61]

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突然ですが、みなさんは今一押しのゲーム音楽は何でしょうか。
私は迷いなくファイナルファンタジーXIV(以下:FF14)の「ロングフォール」と答えます。
去年8月にこの曲がゲーム内で導入されてから、1週間に1度は少なくとも聴いているんじゃないかというくらい聴き倒しているのですが、よくよくこの曲について考察してみると、実は曲構成がスゴイんじゃないか…ということに気付きました。

ということで、今回のゲームミュージックお勧め紹介は、この「ロングフォール」の何が凄いのか簡単に曲を分析するプレゼンをしたいと思います!


音楽に関しては素人なので、素人目線の解説になりますが、そこは承知の上で見ていただければ。
あと、この曲が流れる背景の物語の解説もしておりますが、記憶を頼りに書いているので、細かいところが間違っていたらごめんなさい。

「ロングフォール」ってどんな曲?

とりあえずまずは曲を聴いてほしい。
正式名称は「ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~」です。

FFXIV OST The Twinning Theme ( A Long Fall )

この曲は2019年6月28日にFF14の拡張パッケージ「漆黒のヴィランズ」(バージョン5.0)がリリースされた際に実装されました。本編クリア後に挑むことができる4人用の攻略ダンジョン「シルクスツイニング」のBGMです。


本編には関わりのないエクストラダンジョンですね。主人公たちが攻略する経緯をざっくり説明すると、第一世界の「シルクスツイニング」から不可解なエーテル反応が見つかったから調査してこいという内容だったと思います。


この経緯についてちゃんと説明しようとすると2-3記事の内容になってしまうので割愛!!しますが、シルクスツイニングは何かというと、『「水晶公」というキャラクターと、「シド」を代表する協力者たちによって作られた、プレイヤー(主人公)の冒険を助けるための超壮大な建造物』…ということだけ押さえておけばとりあえず大丈夫です。

ダンジョン…にしては超ノリノリで、思わず踊りたくなるBGMですね。というか、おっさんが何故か4人組で踊るミームが海外で流行しましたよっぽどゲームプレイヤーの印象に残っているのでしょう。

「ロングフォール」の何が凄いの?

先に「ロングフォール」の凄い理由を結論から書きます。


それは、
●2分17秒(1ループ)の間に過去のFF14のBGMと、他FFシリーズのBGM、計6曲をすべて合わせてアレンジしているから
●アレンジ対象のBGM選曲にそれぞれちゃんと意味を持たせているから

です。

「ロングフォール」の曲解説

具体的に、「ロングフォール」に潜んでいるアレンジBGM6曲を説明していきます。

こちら上図に、ロングフォールのアレンジ元のBGMをそれぞれ示してみました。四角の色ブロックはそれぞれ曲名、矢印は、その曲のアレンジ元をそれぞれ示しております。
また、上部の5.X、4.X、…の層はそれぞれFF14のバージョンを示します。FF14は2年ごとに拡張パッケージが販売されているので、5.Xが2019年、4.Xが2017年、3.Xが2015年、2.Xが2013年くらいのバージョンアップと思っておいてください。この層に入っている曲は、その時期に実装された曲です。
oldFFはFF14以外のFFシリーズの曲からの引用です。

で、それぞれの曲に番号を振っております。実はこの番号順に「ロングフォール」内にBGMが登場しています。順番に見ていきましょう!
曲の横に書いてある時間(例→0:32)のリンクは、その楽曲のその時間に飛ぶように設定しております。時間のある方は色んな曲を聴き比べながらロングフォールのアレンジ元をたどってみてください。

まず、「ロングフォール」の開幕から、ベースラインで一オクターブ上下しながら動いている音[0:00~0:51]。これは「ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~」(番号:①)の開幕のベースラインの動き[0:00~1:01]とほぼ一致しています。

FFXIV OST Alexander Prime Theme Final Phase A12 ( Rise )

このBGMはFF14「蒼天のイシュガルド」パッチ3.4に実装されたBGMで、召喚獣「アレキサンダー」と戦う際に流れます。ざっくり言うとこいつは時を超える能力を持っており、なんやかんやあってプレイヤーと戦うことになります。


実はシルクスツイニングの最後のボスとして、この「アレキサンダー」を模した敵が登場します。「シルクスツイニング」は、時を超えて別の世界から建造物ごと移動した…という経緯があるのですが、この時超えにはプレイヤーが戦った「アレキサンダー」の技術が不可欠でした。そういうわけで似たような装置が置いてあるのでしょう。


この縁もあって、「アレキサンダー」戦のフレーズが「ロングフォール」開幕に含まれております。特に開幕10数秒はこのフレーズが目立っていますね。その後は伴奏として隠れます。


次に「ロングフォール」の[0:17~0:28]で繰り返し流れる同じフレーズ、これは「絢爛 ~クリスタルタワー:シルクスの塔~」(番号:②)の[1:27~1:30]のフレーズの引用となっています。

FFXIV OST Syrcus Tower Calm Theme ( Out of the Labyrinth )

この曲はパッチ2.3で実装されました。「シルクスツイニング」が時空を超えて移動する前の「シルクスの塔」を攻略するときのBGMですね。(ややこしい) 
攻略する建築物は「シルクスツイニング」「シルクスの塔」それぞれ同じものなので、この曲のアレンジが「ロングフォール」に含まれるのは必然でしょう。 「絢爛」もまた実は昔のFFシリーズのアレンジ曲なのですが、解説は後程。。


続いて、ロングフォール[0:28~0:51]では、英語歌詞によるボーカルが入ります。これは「eScape ~次元の狭間オメガ:アルファ編~」(番号:③)の[0:27~0:54]の歌詞部分の引用ですね。

FFXIV OST – Omega's Theme

この「eScape」はFF14パッチ4.4で実装されたBGMで、プレイヤーが「オメガ」というFF5に登場したボスと戦う際に流れる曲です。この「オメガ」はFF14の世界の外宇宙から来襲してきたという設定(!)で、「次元の狭間」を作り出して別世界の事象を観測しその世界の強者を再現する(!)という能力を持っています。


「シルクスツイニング」の時空超えの技術は前述した「アレキサンダー」だけでは「別の世界に移動する」という行為が難しかったようですが、ここでプレイヤーが「オメガ」と戦った記録を用いることで、その問題を解決したようです。
ということで、「オメガ」戦のBGMもアレンジに含まれているのですね。
ちなみにこのBGMも筆者一押しのひとつです。


まだまだ続きます! 「ロングフォール」[0:51~1:37]の間では、ボーカルが一回消えて、もう一度「絢爛 ~クリスタルタワー:シルクスの塔~」(番号:②)の[1:27~2:23]のフレーズが流れます。今回は長めの引用ですね。
このうち、「絢爛」の[1:51~2:08]のフレーズは、FF3の「クリスタルタワー」(番号:④)の[0:00-0:07]のメロディーを使っています。

FINAL FANTASY Ⅲ クリスタルタワー (The Crystal Tower)

2.3で実装された「シルクスの塔」は、FF3のラストダンジョン「クリスタルタワー」をモチーフとしたダンジョンで、FF3のボスが数多く登場します。だからFF3の曲を使っているんですね。「ロングフォール」はアレンジ曲のアレンジなんだな、ということがこの地点で判明します。


いよいよ「ロングフォール」のサビ部分です! [1:38~2:00]の部分では、また「eScape ~次元の狭間オメガ:アルファ編~」(番号:③)の[1:47~2:17]の歌詞部分が歌われます。アレンジ元もサビですね。


この「eScape」のサビ部分もFF14の楽曲からのアレンジとなっております。パッチ3.0「蒼天のイシュガルド」で実装されたフィールド「アジス・ラー」で流れる「未解読法則 〜魔大陸アジス・ラー〜」(番号:⑤)の[0:51~1:10]がアレンジ元となっています。

FFXIV OST Azys Lla Theme ( Order Yet Undeciphered )

この「未解読法則」はFF14の色んな部分でアレンジされております。「アジス・ラー」は古代アラグ帝国という超文明の遺跡という設定なのですが、このアラグ帝国が関わるコンテンツにはこのフレーズがよく挿入されています。


「オメガ」に関しては、外宇宙からFF14の世界に来襲した後、最初に発見して兵器として活用しようとした国家が「アラグ帝国」なので、「オメガ」戦にこのフレーズが入っているのだと私は解釈しています。


そして「ロングフォール」の曲ループの〆である[2:00~2:12]部分。これはFFシリーズを知っている方であればおなじみなのではないでしょうか。そう、プレリュード(番号:⑥)です。FFシリーズには必ずこのBGMがタイトル画面とかに流れますね。これがアレンジに含まれているとFFの曲だなと一瞬で分かります笑 FF14の他の曲でもふんだんにこのフレーズが含まれています。

FF1 – Prelude (Original)

実はこのプレリュードは原曲からただ引用したわけではなく、「シルクスの塔」の「絢爛」の[2:23~2:35]からの引用となっています。音が一致していますね。「シルクスの塔」繋がりで「ロングフォール」にアレンジされたということです。

このあと、「ロングフォール」の[2:12~2:17]で、もう一度「ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~」(番号:①)の開幕のベースラインの動き[0:00~1:01]が繰り返されて、曲が1ループします。

「ロングフォール」が凄い理由(結論)

以上、長々となりましたが、「ロングフォール」に隠されたアレンジ楽曲の解説は以上となります。
2分ちょっとの間に計6曲を詰め込んで、それでカッコイイ楽曲に仕立て上げるのは作曲者「祖堅正慶」さんの手腕が存分に発揮されています。


祖堅さん、本当にアレンジが得意なんですよね。ただアレンジさせるだけではなくて、フレーズをつけ足したり複雑に曲を重ね合わせることで、より魅力的にさせていると思います。

この6曲の引用元が、FF14の6年間に実装したBGM、さらにFFシリーズの昔の楽曲を振り返る内容になっているのも一押しのポイントです。MMORPGという、アップデートを繰り返すゲームの楽曲として、過去のアップデート要素を取り込むのは大きなファンサービスでした。「ロングフォール」は「MMORPGならではのゲーム音楽」と言えるでしょう。

そしてなんといっても、アレンジ楽曲すべてに明確な選曲理由を持たせているのが凄いんです!アレンジ元の曲についてそれぞれ解説すると、「シルクスツイニング」のダンジョンの背景がおぼろげに分かるようになっています。


シルクスツイニングを別次元から転移させた「水晶公」は、このシルクスツイニングの技術についてこう話しています。(発言に関連する曲番号は筆者が挿入しています)

水晶公 : クリスタルタワー(曲番号:②④⑥)……時の翼(曲番号:①)……
彼方より来たりし者による、次元を超えた事象観測(曲番号:③⑤)。
水晶公 : そして、それらを目にした天才たちが、
生涯をかけて遺した閃き……。

まさに「ロングフォール」アレンジ元、それぞれの楽曲が関わっているコンテンツについて触れています。

これらすべては、「シルクスツイニング」にプレイヤーがたどり着くまでにプレイヤー自身が(現実時間では約6年かけて)解決した事柄なので、ここに来てその集大成を目にすることができるのはエモいという言葉では片づけられないでしょう。

まとめ

以上、「ロングフォール」の何が凄いのかプレゼンしてみました。「ゲームミュージックお勧め紹介」のコーナーで、1曲のみについて語ることは今まで無かったかな…?と思うので、今回実験的に記事にしてみました。


まとまりのない文章ですが、FF14のプレイヤーではないゲーマーにもこの楽曲の凄さが伝われば幸いです。とりあえず1曲の中に6曲をアレンジしているんだ!ということが伝わればオーケーです笑

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